話題のIoTは、UXに直結した概念でした。

話題のIoTは、UXに直結した概念でした。

皆さんは、IoTという言葉をお聞きになったことがありますか。これはInternet of Thingsの略語で、日本語では「モノのインターネット」と訳されています。モノがネットワークに接続されて、それ自体がデータを提供するようになると、そこで新しい価値が生まれるという概念です。わけあってこれを詳しく調べることになりました。

それで米国のKindleストアで購入した書籍の一つが、「Designing Multi-Device Experiences AN ECOSYSTEM APPROACH TO USER EXPERIENCES ACROSS DEVICES」です。何かを急いで読まなきゃいけないときは、Kindleはほんとに便利です。それはともかく、読み始めてすぐ気づいたのは、IoTはUXとつながっているということでした。

筆者のMichal Levin氏によると、タイトルにもあるとおり、すべてはユーザの体験価値を最大化するエコシステム実現の一環だというのですね。どのデバイスを使ってもユーザがわかりやすく情報を受け取れるようにすることも、IoTで生活をスマートにすることも、目的はただ1点、ユーザの利便性向上を考えているということです。

たとえば、米国のNestという会社は、初期のiPodとiPhone開発を率いたTony Fadell氏が創業者なのですが、立ち上げたこの会社で学習するサーモスタットという製品、つまりモノを完成させました。それは見た目に美しいだけでなく頭脳を持っており、室温の変化パターンを学習し、自動的にプログラムを最適化します。ユーザは室温調整のために手をわずらわせる必要がないのです。それだけではなくエネルギーの無駄遣いを抑制し、電力コストも削減します。ユーザはPC、スマートフォンなど好きなデバイスで、電源をON/OFFしたり、他の設定項目にアクセスすることができます。

この書籍では、UXでも、IoTでも、エコシステム実現のためには、3つのCからなる機能を実現することが重要だとしています。

Consistent(一貫していること)…それぞれのデバイスが最初から最後まですべての情報ピースを実行できること。どのデバイスを使っても、基本的にユーザが同じ体験をできること。

Continuous(連続していること)…それぞれのデバイスが、連続した一つのステップの中で役割を果たすこと。あるデバイスから別のデバイスへ作業を引き継げること。

Complementary(補完的であること)…それぞれのデバイスが、アンサンブルの1パートとして、まるでハーモニーを奏でるように協調したマナーで動くこと。あるデバイスが別のデバイスを補完できること。

よく考え抜かれた根本理念です。実現しようとするとなかなかハードルが高そうですが、設計の段階から繰り返しこの3Cに立ち戻る習慣を持つことは、意味あることだと思います。それにしてもIoTでUXの話に出会うとは。世界は向かうべき方向へ向かっているようですね。

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